2010/08/11
洋服地で作る 男物単の着物の作り方レポート1
に続いて2回目は、衿の準備 と 男物の袖の作り方です。
掛け衿のつけ方は女物の浴衣と同じです。(出来上がりの衿幅が違うだけです)
◆ 衿の準備 ~掛け衿付け~ ◆
掛衿代を間違いないか確認して待ち針を打ちます。
下に続きます
標し同士で待ち針を打ち、台形になる様に縫います。
出来上がりにより8mm上位になればOK
多少幅が違っても中に入る部分なので、あまり神経質にならなくても良いです。
地衿と掛け衿の衿付け代を糸でとじます。ザクザクで良いです♪
◆ 男物の袖の作り方 ◆
女物と男物の大きな違いはお袖です。男物には振り袖が無いのです。
振りに当る部分は「人形」という名称で明きが無い状態です。
ネットや本に載っている男物の袖の標しつけは、
袖付けの部分から袖底の部分のきせに当る部分は同寸で書かれている事が多いですが・・・
実際は、袖底の袖幅は少し広め(ほんの数ミリの事ですが・・・)に標しをつけると出来上がりが綺麗になります。
どうしても袖底の縫い代に厚みが出るので、私は広く標しを付けます。(^_^)v
丸み部分を外して、直線縫い部分をミシンで縫います。
男物の袖の丸みは大体2cmが多いのですが、息子の遊び着なので、少し大きめの2.5cmの丸みにしてみました。
ヘラで標を付けます。無い場合はチャコでもOK♪
きっちりと線の上に待ち針を打ちます。
針先運針 (針の先だけで縫う方法)をします。
昔・・・「丸くなぁ~れ 丸くなぁ~れ」と念じながらやると綺麗な丸が出来ると教わりました(*^_^*)
この位の丸は糸二本取りで5mm位上を縫います。
袖口下(2mm)→袖底(4mm)→人形(袖付け2mm、袖底部分6mm位)のキセ(折り目)を付けます。
人形の部分は、直角になる様に折って下さい。
キセを掛けたら次に袖の丸みを絞ります。 (袖の丸みは前袖側に倒します。)
タックがかさばらない様に気を付けて糸を留めます。
二本取りで絞った糸の片方の糸をハサミで切ります。
一本取りになった糸で丸みの縫い代部分がごろつかない様に糸で綴じます。
縫い代部分を更に濡れたハンカチや手ぬぐい等でスチームを掛けて潰します。
この作業が、丸みを綺麗に仕上げてくれます。
和裁士の中には・・・ツバを使ってプレスをするという方法をとる方も居ますが・・・
私は好きじゃないので、手間が掛かっても、湿布でプレスします。
縫い代がプレス出来たら、丸みの部分は完成です♪
丸みを絞った時の余った糸で、人形部分を留めます。袖底の縫い代を折ってから横の人形を折ります。
左右対称になる様に、片方の袖も作ります。
袖口を三つ折りぐけをします。袖口の2cm位下の所からくけ始めます。
お袖のしつけは、細い糸で、しつけします。
しつけは二目落しで付けます。他に一目落しというのも有ります。しつけ方法は好みです。
人形の角の部分は、長襦袢のお袖の躾と同様でこんな感じにしつけをします。
人形部分のしつけは、後ろ袖にはしつけをしないで手前の縫い代と前袖側にしつけをします。
左右のお袖の形(丈、幅、丸み)をチェックして出来上がりですヽ(^。^)ノ♪
なんか・・・袖作ってるより、レポート書いている方が時間が掛ってしまった(苦笑)
袖一つとっても、拘りや女物との違いは判ったでしょうか?
日本の何処かで、このレポートが役に立つ事を願っています。
女物は出来ても、男物は作った事の無い方は、きっと多いと思います。
一般的に・・・男物の浴衣の作り方って・・・少しの説明で、後は女物と作り方は同じと書かれている事が多いけど・・・
私は、ちょっと違うと思います。
それだけでは、何となくだけど、着物の事知らない人にとっては、判らないんじゃないかなと思ったのが このレポートを書こうと思った、キッカケです
私も女物に比べて、男物の仕立ての数は少ないです。
拘りを持った、先生達に教えて貰って嬉しかった事は、やっぱり伝えたいなと思い書いてみました。
次は、縦縫いをミシンで縫ってから、縦ぐけ、裾ぐけのレポートをしたいと思います。
長いレポートを最後まで読んでくださってありがとうございます。
happy2525mama
コメントの一覧
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このマチ針を見ていたら必殺仕事人が頭に浮かぶのは僕ぐらいだろうか?
MAMAさんやっぱり仕事人やわ。(笑)
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伸之介様
(笑) 昔、大工さんが釘をくわえて仕事をしていたみたいに・・・
マチ針を口にくわえて仕事をしています。
子供達が、幼い頃・・・「針って美味しいの?」 と 聞かれた事を時々思い出します(^。^)♪